「臨終」とは、今生で命つきるまでの期間です。
「息を引き取る瞬間に間に合う」ことより、最期を迎えられるまでの期間(時には数か月に及ぶことも)に、ご本人様とどう関わり、何を語り合うかが大切です。
一般的には「枕経」とも呼ばれます。
人生の終わりに臨んで、永年お育てにあずかった阿弥陀様に対するお礼のお勤めです。
本来は故人様ご本人が勤めるものですが、代わりに僧侶と身内の方とで一緒にお勤めします。
葬儀の前夜に苦楽を共にした人々が仏前に集い、故人様をしのびます。
また故人様の姿を通して諸行無常の理を知り、我が命の行く先(浄土)の確かさを知らされて、仏恩報謝の思いを深める場です。
「あらゆる者を必ず浄土に救いとる」と誓われた阿弥陀様の仏徳を讃嘆し、故人様をしのびつつ報謝のまことをささげる儀式です。
大切な方との死別はたいへんつらいものですが、それが決して「永遠の別れ」ではなく、「再び遇える」世界が開かれるのがお念仏の教えであることを、改めて心に刻む場でもあります。
火葬後、まとめてお勤めすることが多くなりました。
このお勤めを機縁に、故人様からいただいたご恩、今後はお浄土から導いてくださるご恩を思い、中陰(亡くなられた日から四十九日間)を過ごしていただきたいと思います。
いずれも追善供養(故人様の成仏を願う)ではありません。
成仏は、すでに阿弥陀様のはたらきで成されています。
浄土真宗における法要は、いわば「報恩供養」。
故人様をしのび、阿弥陀様、そしてお浄土で仏の覚りをいただいた故人様が、この私にかけてくださっている「願い」に繰り返し耳を傾けていくことが大切です。
お寺での法要も受け付けています