お仏壇の前に座って、ふと「これで合っているのだろうか」と思うことがありませんか?
親から受け継いだまま、誰にも確かめないで何十年、ということも珍しくありません。
お仏壇は、亡くなった方をお祀りするための場所ではありません。お位牌を置くための箱でもありません。阿弥陀如来という仏さまに、私のほうが出遇わせていただく場所です。浄土のすがたを、家の中に小さくかたどったものですから、並べ方の一つひとつに意味があります。
ただ、間違えたら罰が当たるという話ではありません。どうぞ気を楽にしてお読みください。
お飾り(荘厳)の基本型
お仏壇の、基本のお飾り。多くのお宅は、このかたちです。
中央にご本尊、阿弥陀如来。向かって右に親鸞聖人、向かって左に蓮如上人のお脇懸(おわきがけ)をおかけします。ご本尊もお脇懸も、本願寺からお受けするものです。
ご本尊には、木像・絵像・六字名号(「南無阿弥陀仏」)があります。図では掛軸で描いていますが、木像のお宅もたくさんあります。
お仏飯は、仏飯器に蓮のつぼみのかたちに盛ります。朝、ご飯が炊けたら、はじめにお供えします。お昼までにお下げして、家族でいただきましょう。
前卓(まえじょく)に並ぶ三つを、三具足(みつぐそく)といいます。向かって左に花瓶(かひん)、中央に香炉、右にろうそく立。この三つがあれば、お仏壇として整います。
お線香は立てません。香炉の大きさに合わせて折り、灰の上に寝かせます。
大きなお仏壇の、正式な型
次に、大きなお仏壇を用いて、荘厳(しょうごん)の正式なかたちをお話しします。ただ、こちらと見比べて、ご自分のお仏壇が足りないと思われる必要はありません。
卓が上下に二つある場合、上卓に四具足とお仏飯一対、前卓に五具足を置きます。
上の卓を上卓(うわじょく)といい、ここに四具足(しぐそく)を置きます。中央に火舎(かしゃ)とろうそく立、その左右に華瓶(けびょう)を一対。華瓶には色のついた花は用いず、樒(しきみ)などの青木をさして、水を満たします。お仏飯も、こちらは一対でお供えします。
下の卓が前卓(まえじょく)で、ここには五具足(ごぐそく)。中央に香炉、その内側にろうそく立を一対、いちばん外側に花瓶を一対、左右対称に置きます。
三角の布は打敷(うちしき)といいます。もとは報恩講やご法事など、仏事のときにかけるものです。法要のときには、このほかに供笥(くげ)にお餅やお菓子をお供えすることもあります。
日々のお供えのこと
お茶は供えません。
浄土真宗では、お水は華瓶に、樒や青木とともにお供えします。華瓶のないお仏壇では、お仏飯だけでかまいません。果物やお菓子など、食べられるものはお供えしたあと、家族でいただきましょう。
「故人が好きだったから」と、お酒やコーヒー、煙草などをお供えしたくなることもありますが、お仏壇は故人への供養台ではありませんので、基本的にはお供えしません。魚や肉などの生臭ものも避けます。「どうしてもお供えしてあげたい」というお気持ちは尊いものですので、その時はご相談ください。
陰膳(かげぜん)はしません。
もともとは、旅に出た人の無事を願って据えるのが陰膳です。けれども亡き方は、もうお浄土に生まれて仏さまとなり、私たちをお導きくださるはたらきの側にまわっておられる。そう受けとめるのが浄土真宗です。
お守りやお札は入れません。
お仏壇は、阿弥陀如来の建立された極楽浄土をあらわすものです。他宗のお寺や神社でいただいたお守り、お札、仏像は、お仏壇の中には入れません。
りんは、お経をあげるときに鳴らします。
りんは、亡き方の目を覚ますものではありません。お経をあげるとき、必要な場所で鳴らします。普段のお参りでは、手を合わせお念仏することが大切であり、それで十分です。
よくあるご相談
ご位牌について
浄土真宗では、本来は位牌を用いず、法名を過去帳に記して、ご命日にそのページを開くという形をとります。ただ、真光寺のご門徒さんも位牌の方が多いです。いま位牌があるからといって、あわてて処分していただく必要はありません。新しく法名を書き入れられるときに、「過去帳という方法もありますよ」とお伝えさせていただいています。
故人のお写真について
お仏壇の中には、置かないでいただければと思います。お仏壇は、ご本尊の場所だからです。亡き方を懐かしむお気持ちは、少しも間違っていません。ただ、その方はお浄土に生まれて仏さまとなっておられます。
生前のお姿を偲ぶ写真は、お仏壇のそばに小さな机を設けて、そちらに飾っていただくのがよいと思います。また、昔ながらの形で、長押の上にかけていただいても構いません。
お仏壇のないお宅へ
お仏壇は、亡くなった方がいるから置くものではありません。むしろ、新しく所帯を持たれたとき、お子さんが進学や就職で家を離れられるとき。そういうときこそ、ご本尊をお迎えいただきたいと思っています。「うちにはまだ誰も亡くなっていないから、仏壇はいらない」というものではないのです。
大きなお仏壇を置く場所がなくても大丈夫です。本願寺派には、一人暮らしのお部屋やマンション、施設のお部屋にも安置できる小型のご本尊があります。「いちょう」「きく」といって、阿弥陀如来のご絵像と、六字名号(南無阿弥陀仏)と、どちらかをお選びいただけます。

置く場所の方角や、お迎えする日の吉凶は、気にされなくて結構です。粗末にならず、家族みんなが親しみやすい場所にご安置するのがいちばんです。お求めの手続きは、真光寺でお取り次ぎいたします。どうぞご相談ください。
最後に
よく言われるのが、「お荘厳が完成するのは、私がお仏壇の前に座った時だ」ということです。やはり大切なのは、形が整っていることよりも、お仏壇の前に座って手を合わせ、お念仏することです。
地域やお家によって、受け継いでこられた形が違うこともあります。気になることがあれば、遠慮なくお尋ねください。


